最終更新日:2016/ 4/28(木) 20:08:48

本サイトが歴史的仮名遣を使ふ理由

本サイトの表記は、すべて歴史的仮名遣を使用してゐます。このページでは、その理由などを説明します。

なぜ歴史的仮名遣を使ふのか。

本サイトの制作者には、「現代仮名遣い」より歴史的仮名遣の方が合理的、と思はれるからです。

現代の日本において、個人に対して、特定の表記方法を強制する法令はありません。1986年の内閣告示第1号「現代仮名遣い」も、その前書きにおいて「3.この仮名遣いは、科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」と明記してゐます。

また「現代仮名遣い」は、「常用漢字表」(旧・当用漢字表)とともに、戦後の国語改革の柱となる規範ですが、その常用漢字表について、今日、その「厳守」を主張される方は多くないと思はれます。最近は新聞社なども、必要に応じて、表外の漢字を振仮名なしで使用する傾向にあります(例:口蹄疫の「蹄」)。

さう考へますと、「現代仮名遣い」に囚はれる理由もないのではないか。私は1990年ごろ、そのやうに考へまして、あらためて「現代仮名遣い」と「歴史的仮名遣」を比較した結果、後者の方が相対的に、表記の規範として合理的である(理窟に合つてゐる)との結論に至り、本サイトでも、歴史的仮名遣を使用することにしました。

※この点につき、興味や疑問のある方は、福田恆存『私の国語教室』をご一読ください)。

なぜ「現代仮名遣い版」を制作しないのか。

じつは2008年3月の本サイト開設時には、「現代仮名遣い版」も制作し、並行して公開してゐました。しかし下記の理由により2016年7月に廃止しました。

  1. 並行運用による更新作業の煩雑さに、対応できなくなつたこと。
  2. 本サイトの閲覧者の大半は、歴史的仮名遣を読む能力をお持ちであらうと判断したこと。

なほ事前に半年間、皆さまからの意見を募りましたが、とくに反対する意見もありませんでしたので、廃止に蹈み切つたしだいです。

旧字体(正字体または「いわゆる康煕字典体」)に関する問題

ネットに限らず、日本語の表記に関して、仮名遣とともに問題になるのが漢字の字体です。とくに歴史的仮名遣を使ふ場合、漢字の字体を旧字体(正字体、「いわゆる康煕字典体」とも呼ばれる字体)にするかが、しばしば論点となります。この点について、本サイトでは、歴史的仮名遣版であつても、原則として常用漢字表の字体(新字体)を使用します。

理由は複数ありますが、ひとつだけ挙げますと「世に普及するコンピュータ用のフォントのほぼ総てが、常用漢字表の字体に準拠してゐるため」です。もちろん、訪問者の方に「いわゆる康煕字典体」に対応したフォント(たとへばサンセール社のUCX新旧漢字交換フォント)をインストールしていただければよいのですが、有償フォントの購入をお願ひするわけにもゆきませんので、サイトの方を新字体で統一することにしました。